NARUTO ナルト ブログ・ふりやまないあめ われ、きたるなり!! ~自来也外伝 巻ノ一

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われ、きたるなり!! ~自来也外伝 巻ノ一


「夕べも官の屋敷に賊が入った様だぞ」
「やはり壁には朱で我来也と書き残してあるそうだ」
われきたるなり・・・か、またまた児雷也の仕事だな。って事は今夜あたり藍の紋が蒔かれるな」

壁に朱の文字で我来也(われきたるなり)と書き残す盗賊児雷也が盗みをした翌晩には、貧しい民へ贈り物がある。それは一掴みの塩であるか、銀を数粒であるか。それを包んだ純白のさらしには藍で、我来也と書いてあった。
世は銀と塩に力があり、その所蔵量が多い家は銀那族、塩那族と呼ばれ政権力を持っていた。那族は自ら官となり、権力の大きな潮流を作り、力無き者はその流れに全てをからめとられた。やがて民は官に義憤を持ち始めるが、貧しさの中で対抗する術はなかった。


児雷也「あーいやだ。また貧民に施しをしなきゃなんねえのか。ひもじーひもじーって、踏ん張りが足りねえんだ。飯が食えなきゃ働いて働いて働けよなー」
児雷也こと尾形周馬はひとりごちた。(ひとりごちた=ひとりごと)

綱手「何いうんだい、民が汗水たらして手にした物も、ぜんぶ役人にかすめ取られるのが今の世じゃあないかい。尾形家は立派な豪族だったか知らないけど、貧しい者の苦しさを我が身と感じられない様じゃ人としてまだまだ半端だね」

盗んだ物を民に分け与える事は綱手との約束だった。

児雷也「うるさい女だな綱手。あんまり威張ってるとおまえの蛞蝓なんぞ、俺の蝦蟇で喰らっちゃうぞ」

児雷也は妖術で大蝦蟇を、綱手は大蛞蝓を召還する事ができた。

綱手「あれ?そんな強気になって。今度大蛇丸に遭遇した時、私がいなかったらどうすんのかねー」
児雷也「うっ。俺が本気をだせば おっ、大蛇丸なんて相手じゃねえよ」

綱手「私の蛞蝓喰らおうものなら大蛇丸の蛇に丸呑みにされちまうよ」

児雷也「うっ・・・」



手で印を結び大蝦蟇を召還し跨がる盗賊児雷也は蛇が嫌いだ。特に大きな蛇を操る大蛇丸には二度と会いたく無い。

気になる話は、ある晩盗みに入った役人の屋敷でひそひそと話されていた。

役人「児雷也の強奪にあって財を無くす那族が増えてるそうだな」

役人「うむ。人ごとではなくなってきたぞ。この瞬間にも我々の屋敷が狙われているかもしれん。何か手を打たなくては」

役人「ひとつ妙案が無くはないが」

役人「おお。聞かせてくれ」

役人「西の州の大守が昔、児雷也と対決したという話を聞いた事がある。その時は決着はつかなかったそうだが、それ以来、児雷也は西の州には姿を現さないそうだ」

役人「その大守は児雷也に勝てずとも追い払う術を持ってるという事か」

役人「そういう事だと思う。どうだろう、西に使いを出してその方法を問うてみては」

役人「よし、その大守に話をしてみる事にしよう。同じく街を統治する者の事だ、きっと力になってくれるだろう」



児雷也「うわ~大蛇丸だろそれ」

話しを盗み聞きしていた児雷也は、その屋敷には手をつけず、大蝦蟇に乗りその場を立ち去った。



西の州に名を大蛇丸といい、大きな街を統治する銀那族の大守がいた。官として政を行っているものの、その実、大蛇を妖術で扱う妖賊であった。

大蛇の化身として青柳池に住むおろちから産まれた大蛇丸は、長年、人の世に身をやつしながら暮らすうち、人の業の深さ、欲、欺瞞を目の当たりにし、人を嫌うようになった。
人は蛇を忌み嫌う反面、飢饉がおこり貧困に苦しむと、蛇を崇め祀った。
静かに暮らす青柳池のおろちは、その存在だけを恐怖した人々の手にかかり退治された。
以来、大蛇丸は人の愚かさを嘆き、この世の全ての人を呪う事が蛇の化身としての使命であると思うようになった。


ある日の事、大蛇丸は若い男に出会った。尾形周馬と名乗るその若者は、妖術で大蝦蟇を操り、果敢に戦いを挑んで来た。

二人は激しい妖術乱闘を繰り広げたが、元来、蛇は蝦蟇を喰らうもの、大蛇丸の勝利は確実に見えた。
しかし突然、大蛇が何かに怯んだのだ。滑った光を放つ女がどこからともなく現われ、紋を唱え手印を結ぶと辺りには隆々とした煙りが立ち込め、中からゆっくりと大蛞蝓が出現した。
この大蛞蝓の纏うぬめりと毒気が大蛇丸には堪らなく恐ろしく感じた。この蛞蝓を喰らおうものなら大蛇の内臓はたちまち溶けてしまうであろう。
大蛇はその場から動けなくなり、それを機に女は若者を連れ去っていった。
大蛇丸は生まれて初めての恐怖を感じたのだった。


大蛇は蛞蝓のぬめりを嫌うが蝦蟇を喰らう。蛞蝓は蝦蟇を嫌うが大蛇を溶かす。蝦蟇は大蛇に怯えるが蛞蝓を喰らう。

この三匹が三つ巴となると、それぞれの天敵が揃う為、三匹とも動けない。これが「三すくみ」である。


大蛇丸は西の州の富はほとんど吸い上げた。人の官となり、人を苦しめる政を行った。

「さて、次はどこの州で人を苦しめ呪おうか。しかし南の州はやめておこう。南の州では児雷也という蝦蟇の妖術師が盗賊として暴れまわり、その妻は蛞蝓の妖術を使うという噂だ。あの時の奴等に違い無い。大蝦蟇はともかく、大蛞蝓だけは恐ろしい」



ある日、大蛇丸のもとに児雷也を討伐したいという南の州の役人がやって来た。

役人「大守殿、南の州の民は児雷也の悪道非道に脅えています。なんとか賊を捕縛する方法はないでしょうか。」

愚かな人間の頼みなど聞く気はなかったのだが、南の州のあの忌々しい蛞蝓の女に一矢報いる絶好の機会かもしれないと思い直した。

大蛇丸「確かに方法はある。よし、力を貸そうではないか。仕掛けは簡単だ。南の州に大きな池や沼があるか?」

役人「はい。州のはずれに赤蓮沼という大きな沼があります。」

大蛇丸「ふむ。児雷也は大蝦蟇を妖術で操るであろう。」

役人「いかにも。そこらの盗賊であれば、大守殿のお力を貸りるまでも無いのですが、なにせ大きな蝦蟇が現われて大暴れする次第で、あの様な化け物を操られてはかないませぬ。」

大蛇丸「そこでだ、その沼にこの薬を蒔けば良い。大蝦蟇は沼の主である事は間違い無い。この薬が大蝦蟇に効けば妖術で召還する事はできぬ。児雷也も妖術を封じればただの人、あとは役人の手で捕えられよう。」

役人「その様な策がありましたか。児雷也を捕らえられれば、街も安泰です。さっそくこの薬を持ち帰り、赤蓮沼に蒔く事にします。」

大蛇丸「うむ。決行するのは雨上がりがよい。確実に蒔くのだぞ。」

役人は不敵に微笑む大守の目の光りが、一瞬だが蛇のように思えてぞっとした。





児雷也「どうしちまったんだよ、綱手・・・

児雷也は急に力衰え床に臥せた綱手を前に途方に暮れていた。

綱手「今朝、赤蓮沼で水浴びしてから身体が痺れちまっていう事きかないんだ・・・」

綱手は必ず、雨が上がると大蛞蝓を召還し、水浴びをする為に赤蓮沼に入って行く。児雷也は赤蓮沼に何か原因があるのではと思い、沼へ出かけて驚愕した。

児雷也「なんて有り様だ・・・」

沼の草木は枯れ、魚は死に絶えていた。



児雷也は竹筒に沼の水を汲むと、仙素道人のもとへ必死で走った。

「綱手、死ぬなー」



妙高山の仙素道人は一晩に千里を駆け、その言霊はあらゆる動物を操った。
弟子である児雷也に蝦蟇の妖術を授けたのもこの仙人であった。

児雷也「お師匠様、綱手がこの水を浴びて身体がいうこときかなくなっちまった」

児雷也は竹筒を差し出した。
仙素道人は竹筒を受け取り、中の水を確かめると唸った。

仙素道人「ぬぬぬ、これは蛇の毒じゃ。このような強い毒気は儂の術でもどうにもならん」

児雷也「そんな、それじゃあ綱手はこのまま死んじまうのかよー」

仙素道人「いや、一つだけ方法がある。海を越えた大陸に天竺という大きな国がある、そこにある栴檀香樹(せんだんこうじゅ)という木から作られた香は、この世の全ての毒を消す事が出来るという」
児雷也「じゃあ、その栴檀香樹の香を持ち帰れば綱手は助かるのか。だけど天竺とは遠いのでは・・・」

仙素道人「遠い。綱手の命がもつまでに栴檀香樹を持ち帰るには飛行をするしかない」

児雷也「俺は空を飛ぶ事などできない・・・」

仙素道人「おぬしに空を駆ける事のできる飛行の術を授けよう。ただし、この術は修行なきものが使うと大変に危険なものじゃ。

術は、気を脚へと集中させ空を駆ける為、長時間の飛行で気が燃えだすと脚も燃えてしまう。気が燃え尽きる前に戻らなければ、その脚を失ってしまうじゃろう。

儂は術を体得をしてはいるが、この老いた身体ではせいぜい天竺に辿り着くのが精一杯じゃ。しかし、おぬしの若さに充ちた気であれば戻って来れる可能性はある」


児雷也「どんなに危険であろうと俺は天竺に行き、栴檀香樹を持ち帰る。お願いです、術を授けて下さい」

児雷也は飛行術の巻き物を授かり、手印の結び方を教わると、天竺に向けて飛び立った。
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